2005年04月24日

ゴッホ展

IMG_1484b.JPG

ゴッホは写真家になりたかったのではないか?というとんでもない仮説をぶち上げてしまいます(笑)
こうすると多くのゴッホ・ファンからお叱りを受けるかもしませんが。

・・・東京国立近代美術館で開催しているゴッホ展に行ってきました。
水曜から仕事で東京にいたんですが、金曜日、思ったより早く仕事が終わったので、夕方に観ました。

まず、「絵を観る」というより「人を観る」というぐらい混んでいました(^^;
平日なのに・・・美術館に入るのにすら並んで入る、という状況。
ちょうど「人体の不思議展」ぐらいの混み方かな(笑)
「東京恐るべし」です。

事前にNHKの「新日曜美術館」で予習していたのが役に立ちました。
というのも、ゴッホという画家は、感情の赴くままに絵筆を走らせて、激情的に描く画家というイメージがあったのですが、実際はかなり計算高く、緻密に、いろいろ新しい手法を実験したりしながら絵を描いていた、という論調であったからです。

実際に観てみると・・・展示の仕方かもしれませんが、とにかく「模写」が多い。
浮世絵を模写しまくったというのは知っていましたが、それ以外にもミレーの絵をはじめとして、様々な絵を模写しています。
それだけに、彼の研究熱心さがわかりました。
オリジナルの絵は、ほとんどないのではないかと思うぐらい、模写してます。
そうやっていろいろなテクを習得したり、他の作家の絵にインスパイアされたり、それらが融合することにより、ゴッホの画風が確立されていったのでしょう。

彼の絵を観ていると・・・印象派の画家の絵もそうですが・・・写真より写真らしい絵という印象を受けます。
あるときは広角で、あるときは望遠で切り取ったような構図、「種をまく人」のようにレンズのフレアを意識的に取り入れたような描写、逆光での人物のアンダーになり具合。
また、絞りをコントロールすることによって、対象を浮き上がらせたり、フォーカス・アウトさせたりするのを、絵で表現しているし。

・・・それに、この空気感!
日が燦々と照って、それが肌に伝わる暖かさ、日が落ちて、ひんやりと乾いた風が当たる心地よさ。
大好きな「夜のカフェテラス」では、足の裏に感じる石畳のゴツゴツ、夜のカフェの灯りの暖かさ、食事をする人たちの話し声や、カチャカチャと鳴る食器の音、運ばれてくる料理の匂いまで伝わってきます。
また、この「空気感」は写真でいう35mmの空気感ではなく、中判の空気感です。
もし彼の時代にハッセルブラッドがあったら、彼は写真を撮っていたのではないかと思うほど、ほんとに写真的な絵でした。

もうひとつ感じたのは、絵は「実物を観なければダメ」ということです。
印刷ではこの空気感は見事に消えてしまいます。
写真の場合、写真集などの印刷媒体でもそれなりに鑑賞できますが、絵は全く異なってしまって、感動が伝わりません。

彼の作品としてはアルル時代のものが個人的には一番ツボにはまりました。
それまでの暗めの絵から、一気に作風が明るくなり、また印象派の影響なども受けた画風です。
展示はゴッホの作品だけでなく、その周辺のものもありますが、モネの作品も数点展示してあって、好きな作風のものもありました。

僕自身は最近、写真よりも絵の方が勉強になることが多いです。
とにかく、この空気感の素晴らしさには打ちのめされます。
これを、写真で表現することこそが、僕の求めるものなのかもしれません。

・・・で、今日の写真(^^;
これは会場の近代美術館のテラスで撮影したものです。
これからゴッホ展に行かれる方は「ああ、こんな風に写るんだ」と確認してみて下さい(笑)

それと、ゴッホ展に行ったら、常設展示を観るのもお忘れなく。
東山魁夷の「道」や、近藤浩一路の作品も展示してあります。


posted by Coju at 23:36| Comment(21) | TrackBack(17) | art | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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